モリオの不定期なblog

映画・特撮・アニメの感想や思った事を書きます。宜しくお願いします。

感想

ピアニスト達の生きる遠い世界。たとえ一瞬でも、その一端に触れる。<蜜蜂と遠雷/感想>

映画に限らず様々なエンターテインメントに触れる上での楽しさや素晴らしさの一つは、自分が見たことのない世界、自分が触れたことのない領域に連れていってくれる事だと時々考えます。映画を観ている間、自分の知らなかった世界を触れさせてくれて自分の世…

本作は『ジョーカー』であるが故に悲劇である。<ジョーカー/感想>

ヴェネツィア国際映画祭で金獅子賞を受賞。日本でも公開から3日間で7.5億を超える興行収入を記録。今現在、最も注目を浴びていると言っても過言ではない映画『ジョーカー』。「傑作」などと言った作品を讃える声が数多く聞こえてくるのと同時に、「気分が落…

<HELLO WORLD ハロー・ワールド/プレ観想>

本日9月20日(金)から公開された劇場アニメーション作品『HELLO WORLD ハロー・ワールド』が楽しみで仕方ありません。作品が最初に発表されてから、今日まで長かったような、あっという間だったような不思議な気分です。鑑賞を直前に控えた今、どんな映…

時代を駆け抜けた平成仮面ライダー達。今を生きた者達が、新たな未来を創り出す。祝え!世界をも超える物語を!

『仮面ライダージオウ』が遂に放送終了してしまいました。1年間長かったような気がしますし、あっという間だったような気もしています。1年を通じて放送されるコンテンツは現在希少である事も相まってか、非常に懐かしいような不思議な感覚を抱いています…

「ととのう」とは!?変身バンクならぬ「ととのったバンク」と独特の空気感が癖になるテレビ番組『サ道』

現在、日本は連日の猛暑。太陽からの直射日光による暑さや全身から溢れ出る汗の不快感に「もう勘弁してくれ。」「早く涼しくなってくれ。」なんて声が聞こえてきそうです。(というか自分が思っています。) 外で歩いている人たちが少しでも不快感を和らげよ…

ゲームをした経験のある全ての人に送られた物語は、本当に駄作だったのか。<ドラゴンクエスト ユア・ストーリー/感想>

1986年に第1作目が発売され今でも最新作が発売され続けているドラゴンクエストシリーズ。その中でも非常に高い人気を誇っている『ドラゴンクエストⅤ 天空の花嫁』が、約27年の時を超え3DCGアニメーション映画として再び世に送り出されました。公開前から「…

美しい映像と二人の選択、それらがもたらす映像と感情の逆転<天気の子/感想>

空が晴れていて気分の上がる事はあっても、雨が降っていて気分が盛り上がる事はあまりありません。いつもは晴れて、たまに雨が降ってくるくらいがちょうど良い。だから雨や曇りが続いていた2〜3週間前はあまり気持ち良いものではありませんでした。 そんな…

同じ波は2度と来ない、だからこそ決して忘れない<きみと、波にのれたら・感想>

一つの作品を鑑賞する際、1度目の鑑賞と2度目の鑑賞では作品の受け取り方が変わる事があるのではないかと思います。それは時間の経過によって自分の考え方が変わったり、他の人との会話の中で新しい視点が生まれるなど、理由は様々ではないかと思います。…

おもちゃとしてか、1人の友達としてか。定まる事のない気持ちに永遠に揺れ動く<トイ・ストーリー4・感想>

道を歩いている時に茂みの陰におもちゃがいる事を想像して、自分が通り過ぎた後に道を横切るおもちゃがいるんじゃないかと思って振り返ったりするくらいには自分にとって切っても切り離せない存在になっている『トイ・ストーリー』。 本当にウッディとバズを…

3DCGと手描き、二つの技術の融合が実現する一つの視覚体験<プロメア・感想>

アニメーションや特撮など、長い年月をかけて積み上げられてきた表現があります。それらがCGなどの新しい技術で生まれ変わる時に得られる新しい発見は、時に1つの作品の枠を超えた感動を観客に与えてくれます。 近年ではゴジラを始めとする『特撮』というジ…

僕達がMCUを通じて観てきたものは何だったのか。<スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム・感想>

『アベンジャーズ エンドゲーム』(以下EG)の公開からまだ2ヶ月が経過していません。当然Blu-rayは未だ発売していなければEGの公開も終了していない中、スパイダーマンの最新作『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』がEGの公開終了の翌日から公開す…

本作を形作る要素、それらの工夫のない置き方に観客が裏切られる<MIB(メン・イン・ブラック) インターナショナル・感想>

本シリーズはテレビ放送していた時に鑑賞した程度で、映画館で鑑賞するのは本作が初めてです。「地球は、ド派手に裏切られる。」惹かれるようでそんなに惹かれないキャッチコピーで宣伝されている本作ですが、本作の設定や使用されるガジェットに魅力を感じ…

真ん中に豪速球で投げられた「ゴジラ映画」。そんな作品を目の当たりにして感じた、戸惑いと反省。<ゴジラ キングオブモンスターズ・感想>

65年という自分が生きた時間よりも倍以上の長い歴史があるゴジラ。30作品以上が製作された中で様々な作風の作品が誕生してきました。時には海の向こうで製作され、近年では着ぐるみや模型の枠組みを飛び越え実写でありながらフルCGであったり、アニメーショ…

11年間の旅の末の喪失感、そして得た物<アベンジャーズ/エンドゲーム・感想・ネタバレ無し>

2008年『アイアンマン』を皮切りにスタートしたマーベル・シネマティック・ユニバース(以下MCU)。サム・ライミ版『スパイダーマン3』を経て赤い衣装を身にまとったヒーローの更なる活躍に思いを馳せていた頃、赤い鋼鉄のアーマーを身に纏ったヒーローに出…

「トラスフォーマーらしさ」を起点としたデザインと戦闘を楽しめる秀作<バンブルビー・感想>

今では新作が公開される度に映画館へ足を運んでいる作品『トランスフォーマー』。一作目が公開された当時、家族で映画館に観に行った事を今でも覚えています。アニメで観ていた変形シーンが実写になると、こんな風に格好良くなるのかという感動した体験は非…

エンドゲーム目前に登場した新たなヒーロー、彼女を通じて感じたMCUにおける単独作の意味<キャプテン・マーベル ・感想>

『アイアンマン』を皮切りにMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)が始まってから、早くも11年が経ちました。まだMCUなんて言葉が定着していなかった頃は、スマホも持ってなければ、自由に使用できるパソコンもありませんでした。テレビ番組で流れてい…

新次元の映像に大興奮<ウルトラマンR/B(ルーブ)・感想・ネタバレ>

『ウルトラマンオーブ』で再び「ウルトラマンはじめました」な私にとって、映画館でのウルトラマン鑑賞は今年で3回目。近年のウルトラマンのハイクオリティな映像を、毎週テレビで楽しむ事ができている一方で、劇場版がテレビシリーズに比べ斗出したクオリ…

馬鹿馬鹿しくも清々しい世界観と役者陣の演技の相乗効果によって成立させた快作<翔んで埼玉・感想>

予告編の時点で画面から溢れ出るシュールさに「あ、これ絶対面白いやつだ。」思わされた作品が、『翔んで埼玉』です。登場人物の殆どが奇抜な服装に身を包み、埼玉県を初めとする様々な県がディスり合戦を繰り広げる。極め付けは有名人の出身地対決などとい…

映画全体では乗り切れないが、高い映像技術で作られたアリータに魅了されるという不思議な体験<アリータ・感想・ネタバレ>

近年、『ゴジラ』や『パシフィック・リム』、『ポケモン』などを始め映画界における日本のコンテンツへの視線の集まりを感じています。そんな中、『アリータ』の存在を知りました。何年か前に、制作を行っているニュースを目にした事は覚えていて「遂に完成…

何故マイルスのスイングシーンに感動したのか?今までのスパイダーマンたちには無かった物。<スパイダーバース・感想2>

ついに公開されました『スパイダーマン:スパイダーバース』。先行上映で既に鑑賞したとはいえ、二度三度の鑑賞では全く熱が冷めず公開初日に再び映画館へ足を運びました。字幕かつIMAX3D限定の公開であった為、今回はDolby-ATMOS(ドルビーアトモス)にて鑑…

異なる次元で「スパイダーマン」という同じ名を持つ者達の物語<スパイダーバース・感想・ネタバレ>

3月8日(金)の公開に先駆けて、IMAX限定で先行公開された『スパイダーマン:スパイダーバース』。サム・ライミ版の『スパイダーマン』三作品以降、全てのスパイダーマン映画を観てきて、映画限定とはいえ、スパイダーマンに対する思い入れは非常に強いです。…

限定された空間を用いた作劇、想像力を刺激され魅了された88分間<THE GUILTY/ギルティ・感想・ネタバレ>

初めは鑑賞する予定どころか、作品の事を知っていませんでした。しかし、Twitterにて『ギルティ』という映画がある事を知りました。「映される場所は一箇所のみ、と限定されれている。」という評判を耳にし気になり始めたタイミングで兄弟に鑑賞を誘われたの…

本作は果たして、時代の空気を読めていたのか?<劇場版シティーハンター 新宿 PRIVATE EYES・感想・ネタバレ>

かつて一世を風靡した作品が、時代を超えてリメイクやリブートされる事が国内外を問わず行われている現在。当時その熱狂の渦の中にはいなかった私も、こういった作品は観てみたい。そういった作品に対して憧れみたいな物を感じているし、リメイクやリブート…

刑事(デカ)である征陸智己が、須郷徹平に残した物とは?<PSYCHO-PASS サイコパス:SS Case.2・感想・ネタバレ>

3ヶ月連続で公開している『PSYCHO-PASS サイコパス Sinners of the System』。早くも二作目が公開されました。一作目『Case.1 罪と罰』では、メインの登場人物である宜野座伸元と霜月美佳、両名の成長した姿と活躍が存分に描かれていました。対して本作『Ca…

「位置について、よーい………ドーーーン!!!」徒競走みたいなアクション、王道な作りを極めた傑作<アクアマン・感想・ネタバレ>

正直な事を言わせていただくと、単純にデザインがあまり好みではないという理由で最初はあまり楽しみにはしてなかったんですよね。「まあ、公開終了までに観に行けば良いか。」くらいに思ってたんですけど、いざ公開が始まってみると物凄い評判、急遽観に行…

「全ての日本人に問う。」その言葉に偽りなし。日本企業の風土を描いた秀作<七つの会議・感想・ネタバレ>

池井戸潤さんの手がける様々な小説を読んだ事はなく、テレビで放送されている(主にTBSの)ドラマをいくつか鑑賞した事があります。少し過剰にも思える役者陣の演技、それを目一杯見せると言わんばかりの顔のドアップ、加えて登場人物の善悪の明確な立ち位置…

テレビシリーズのその後を描く作品として、本作はどうだったのか?<仮面ライダークローズ・感想・ネタバレ>

1年間という長い時間をかけて紡がれた『仮面ライダービルド』。その物語の末に訪れた世界で新たに紡がれる物語『仮面ライダークローズ』。1年間『ビルド』を追っていた者として、『クローズ』を見届けない訳にはいきません。という訳で、早速映画館ヘ馳せ…

キャラクターの魅力を見せ、観客の期待に応えた秀作<PSYCHO-PASS サイコパス:SS Case.1・感想・ネタバレ>

『PSYCHO-PASS』は近未来の日本を舞台に事件に立ち向かう警察を描いたSFクライムサスペンス。人の心理状態を示す犯罪係数を計測するシビュラシステムという特殊な設定により他の作品にはない展開、テーマが描かれる本作は、2012,2014年にテレビ放送、2015年…

触れただけで割れてしまうガラス瓶に怯え続けた2時間、ハリウッドとは異なる方法論で創られた中編<Fate/stay night [Heaven's feel] Ⅱ・感想>

このイラスト、怖いですねぇ。原作未プレイ。2011年に放送された『Fate/Zero』で本シリーズに初めて触れ、それ以来のテレビシリーズを中心にチェックしていました。そんな中で前作「Fate/stay night [Heaven's feel] Ⅰ』を鑑賞。強敵があっさり脱落するなど…

障害者の在り方、ボランティアの接し方を描いた傑作<こんな夜更けにバナナかよ・感想>

今年は昨年よりも多くの映画を観れればなと考えています。という事で早速観て来ました。しかし前回は『ドランゴンボール』の感想を投稿していました。どういう事でしょう? もう察している方もいらっしゃるかと思いますが、『ドランゴンボール』と同じ日に鑑…