モリオの不定期なblog

映画・特撮・アニメの感想や思った事を書きます。宜しくお願いします。

アニメ

今だけ最新作のパート1にどっぷりと浸りたい<スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース/感想>

マルチバースという概念が定着して久しい昨今、2019年に公開された『スパイダーマン:イントゥ・ザ・スパイダーバース』の続編である『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』が公開されました。異なる世界観のスパイダーマンが一堂に会した一作…

NOMAN'S LANDに立つガンマンの一発が見逃せない<TRIGUN STAMPEDE トライガン・スタンピード 第一幕/感想>

2023年1月現在、テレビ東京系列で毎週日曜日23時から放送または配信中のアニメーション作品『TRIGUN STAMPEDE』が最高です。アニメーション制作を担当しているオレンジは、『宝石の国』や『ゴジラS.P(シンギュラ・ポイント)』、『マジェスティックプリ…

漫画のキャラクターを動かす3DCGアニメーション、その先にある一瞬の脈動に涙する<THE FIRST SLAM DUNK/感想>

手描きの画の質感を3DCGで表現しているアニメーション作品が好きです。立体的な正確さを担保したことで生まれる臨場感を持ちながら、手書き特有の立体的な嘘を入れた躍動感のある見栄を表現していく。手描きと3DCG、両方の利点を活かしながら、画が動いてい…

映画の中に広がる世界、その世界と現実をつなぐ映画<映画大好きポンポさん・感想>

映画が好きだ。映画を観るのが好きだ。映画を映画館で観るのが好きだ。 視界一杯に広がる大画面。耳どころか全身を振動させるような大音量。映画以外の情報をシャットダウンする閉鎖された空間。 そうした、映画にしかないもの、映画館でしか感じられないも…

目一杯の祝福をエアリアルに<機動戦士ガンダム 水星の魔女/感想1>

ガンダムへ、モビルスーツへ、ロボットへ、乗ることに子供の頃は憧れていました。パイロットスーツを着て、ヘルメットを被り、コックピットに座って、操縦桿を握る。劇中でキャラクターたちの色んな操作とロボットの動きを見て、「このボタンを押せば、これ…

現実に肉薄するアニメーションの顕現。アニメーションの未来を切り開く絶望の三部作の幕開け。<機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ・感想>

平面が立体に、二次元が三次元に、画の連なりが映像に。物理的には存在しない物への立体感と質量の付与、それを実現する技巧と技術、挑戦それ自体が見応えと魅力に転じる。アニメーションの特徴であり強みです。本物に近づけることを志向しながらも実写にな…

AIの感情を浮き彫りにする愛の物語。未来を明るく照らすアイの歌声に涙する。<アイの歌声を聴かせて・感想>

友〜達〜欲〜し〜〜〜〜〜〜い!!!!! 急にどうした?と思われるかもしれませんが、まさにそんな主人公のファーストインプレッションから始まるアニメーション映画が『アイの歌声を聴かせて』です。監督は『イヴの時間』の吉浦康裕さん。主人公・シオンの…

人造だからこそ、人の創りしもの故に映画から受け取る力<シン・エヴァンゲリオン劇場版/感想>

7月21日(水)、『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の上映が終了しました。それも興行収入100億円突破という快挙を達成して。 今だに感染症の流行収束の兆しが見られない状況下で無事に映画が上映されるのか、上映されたとしても劇場に足を運ぶことがで…

定着したコンテンツの魅力とハードルが同居した一作<劇場版 Fate/Grand Order -神聖円卓領域キャメロット- 前編 Wandering; Agateram>

既に人気を獲得しているコンテンツの劇場作品。人気であるが故に「期待」というハードルが存在します。「このキャラクターの活躍が観たい。」「こういう表現が見たい。」など、様々な部分での期待されます。つまりは、そのコンテンツが人気を獲得するまでに…

受け継がれていく想い。決して途切れない英雄達の呼吸に涙する。<劇場版 鬼滅の刃 無限列車編・感想>

写実的な描写の中で躍動する太い線で描かれたキャラクターと水墨画のようなエフェクトが格好良いアニメ。それが、新型コロナウイルスをも吹き飛ばす熱量を以て日本で社会現象を巻き起こしている作品、『鬼滅の刃』に対して抱いていた第一印象です。本作のア…

<ヴァイオレット・エヴァーガーデン/プレ観想>

最後に手紙を書いたのはいつだろうか。誰に対して、何の内容を書いたのかは思い出せません。連絡する手段が手紙からメールやSNSに変わった現在。手紙という媒体を思い出させてくれた作品が『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』。テレビで放送されたのは、20…

ただの総集編だなんて言わせない!大画面で観る価値を作り出した快作<荒野のコトブキ飛行隊 完全版・感想>

テレビシリーズのアニメを劇場用に再編集された映画、いわゆる総集編。そういった作品における最大のポイントは、劇場で観る意義を如何に見出せるのかということ。そもそも、既に一度観たことがある作品を、わざわざ映画館まで足を運び、1800円もの金(+交通…

異なる選択・ルートを認識しているからこその唯一無二の体験。<Fate/stay night [Heaven's Feel] Ⅲ.spring song・感想>

桜が咲く季節に公開するはずだった作品がようやく公開しました。『Fate/stay night [Heaven's Feel] Ⅲ.spring song』。 『Fate/stay night 』の中で分岐する3つの物語、一つ目のルート<Fate>、二つ目のルート<Unlimited Blade Works>、そして三つ目のル…

無限大の夢のあとの「最後の進化」が新たな無限大の夢を作り出す。<デジモンアドベンチャー ラストエボリューション 絆・感想>

2020年2月21日金曜日、『劇場版 デジモンアドベンチャー LAST EVOLUTION 絆』が公開されました。子供の頃に見ていた『デジモンアドベンチャー』の最新作。自分にとっては、子供の頃の楽しい思い出を作ってくれたコンテンツの一つです。デジモンにはアニメだ…

二次元と三次元を行き来するセルルック3DCGの到達点<HUMAN LOST 人間失格/感想>

ツイッターの自己紹介欄にセルルック3DCGが好きだと書くくらいにはセルルック3DCG好きのモリオ です。 「手書きアニメーションの質感を3DCGによって表現する。」この題目に対して様々な会社がそれぞれ異なるアプローチで挑戦しています。その結果生まれる新…

夢を目指すか、諦めるか。「どちらかを選ぶ」という行為そのものを肯定する。<空の青さを知る人よ/感想>

作品を通じて様々な登場人物を見ていると、時々、自分の人生について考えさせられます。様々な事に悩み苦しみながらも一つの決断と選択をする登場人物達。スクリーン向こう側の彼らに感情移入し、彼らの選択に膝を打ち、頭を抱えたり、目頭を熱くしる。する…

次回作の公開を待つ時間はリアルタイムだけにしかない「コンテンツ」

テレビドラマの第一話が放送されてから第二話が放送されるまでの1週間。漫画の第2巻が発売されてから第3巻が発売するまでの4〜6ヶ月間。映画の第3作目が公開されてから第4作目が公開されるまでの2〜3年間。 単発ではなくシリーズで展開している作品…

世界を超える2人の物語。SFがもたらす体験に心を揺さぶられる。<HELLO WORLD ハロー・ワールド/感想>

SF(サイエンス・フィクション)というジャンルに分類される作品では、現実には無い物が登場します。それは一つの物だったりすれば、世界そのものだったりと、「現実には無いもの」のスケールは作品によって異なります。しかし、未知の法則の理解を観客に要…

<HELLO WORLD ハロー・ワールド/プレ観想>

本日9月20日(金)から公開された劇場アニメーション作品『HELLO WORLD ハロー・ワールド』が楽しみで仕方ありません。作品が最初に発表されてから、今日まで長かったような、あっという間だったような不思議な気分です。鑑賞を直前に控えた今、どんな映…

天気が映画の広告になってしまった…

現在、世間はお盆休みでありながらも台風10号の到来により天気が安定しない日々。かといって、晴れたら晴れたで、気力を根こそぎ奪うと言わんばかりの猛暑。室内で娯楽を楽しめる映画館へ足を運ぶ事さえも躊躇してしまいます。結局外出する事を控えて、家で…

ゲームをした経験のある全ての人に送られた物語は、本当に駄作だったのか。<ドラゴンクエスト ユア・ストーリー/感想>

1986年に第1作目が発売され今でも最新作が発売され続けているドラゴンクエストシリーズ。その中でも非常に高い人気を誇っている『ドラゴンクエストⅤ 天空の花嫁』が、約27年の時を超え3DCGアニメーション映画として再び世に送り出されました。公開前から「…

美しい映像と二人の選択、それらがもたらす映像と感情の逆転<天気の子/感想>

空が晴れていて気分の上がる事はあっても、雨が降っていて気分が盛り上がる事はあまりありません。いつもは晴れて、たまに雨が降ってくるくらいがちょうど良い。だから雨や曇りが続いていた2〜3週間前はあまり気持ち良いものではありませんでした。 そんな…

同じ波は2度と来ない、だからこそ決して忘れない<きみと、波にのれたら・感想>

一つの作品を鑑賞する際、1度目の鑑賞と2度目の鑑賞では作品の受け取り方が変わる事があるのではないかと思います。それは時間の経過によって自分の考え方が変わったり、他の人との会話の中で新しい視点が生まれるなど、理由は様々ではないかと思います。…

おもちゃとしてか、1人の友達としてか。定まる事のない気持ちに永遠に揺れ動く<トイ・ストーリー4・感想>

道を歩いている時に茂みの陰におもちゃがいる事を想像して、自分が通り過ぎた後に道を横切るおもちゃがいるんじゃないかと思って振り返ったりするくらいには自分にとって切っても切り離せない存在になっている『トイ・ストーリー』。 本当にウッディとバズを…

3DCGと手描き、二つの技術の融合が実現する一つの視覚体験<プロメア・感想>

アニメーションや特撮など、長い年月をかけて積み上げられてきた表現があります。それらがCGなどの新しい技術で生まれ変わる時に得られる新しい発見は、時に1つの作品の枠を超えた感動を観客に与えてくれます。 近年ではゴジラを始めとする『特撮』というジ…

何故マイルスのスイングシーンに感動したのか?今までのスパイダーマンたちには無かった物。<スパイダーバース・感想2>

ついに公開されました『スパイダーマン:スパイダーバース』。先行上映で既に鑑賞したとはいえ、二度三度の鑑賞では全く熱が冷めず公開初日に再び映画館へ足を運びました。字幕かつIMAX3D限定の公開であった為、今回はDolby-ATMOS(ドルビーアトモス)にて鑑…

異なる次元で「スパイダーマン」という同じ名を持つ者達の物語<スパイダーバース・感想・ネタバレ>

3月8日(金)の公開に先駆けて、IMAX限定で先行公開された『スパイダーマン:スパイダーバース』。サム・ライミ版の『スパイダーマン』三作品以降、全てのスパイダーマン映画を観てきて、映画限定とはいえ、スパイダーマンに対する思い入れは非常に強いです。…

最近、日本のCGアニメに対してファンとして思う事

2月26日(火)と27日(水)に、CG・映像専門サイト『CGWORLG.JP』において、ある特集が掲載されました。 cgworld.jp cgworld.jp タイトルにある通り、CGプロダクション3社の取締役による対談が掲載されていますが、その中で、このようなやり取りがありました。 …

『スパイダーマン:スパイダーバース』予告編を観ただけで泣きそうになる理由

公開日が近づきファンの期待が日に日に高まっている『スパイダーマン:スパイダーバース』。公開の一週間前にIMAX限定の先行上映を実施するなど、配給側が「3月は一人勝ちする。」と言わんばかりの気合の入れぶりを見せています。私も当然、ムビチケを購入し…

本作は果たして、時代の空気を読めていたのか?<劇場版シティーハンター 新宿 PRIVATE EYES・感想・ネタバレ>

かつて一世を風靡した作品が、時代を超えてリメイクやリブートされる事が国内外を問わず行われている現在。当時その熱狂の渦の中にはいなかった私も、こういった作品は観てみたい。そういった作品に対して憧れみたいな物を感じているし、リメイクやリブート…