モリオの不定期なblog

映画・特撮・アニメの感想や思った事を書きます。宜しくお願いします。

2023年回顧2024年抱負

明けまして、おめでとうございます。ブログを始めて5年目に突入しました。弊ブログを読んでくださった方、記事に星をつけてくださった方、読者登録してくれた方、本当にありがとうございます。 本年も宜しくお願いします。昨年に引き続き、映画の感想をはじ…

簡易に積み重ねられるゲームの経験とプレイヤーの本気がリアルに勝る瞬間を目撃する<グランツーリスモ/感想>

映画『グランツーリスモ』が最高だった。この文章を次の映画の観賞までの時間を使って、映画館で書いています。この熱量が失われる前に書き残しておきたいと思います。 モリオ on X: "『グランツーリスモ』観賞 ゲームで感じた感覚。ゲームで積み重ねた経験…

火傷しそうな夏に観る運命の炎はアツかった<キングダム 運命の炎/感想>

灼熱の炎天下で、十分過ぎるほどに身体が熱せられている中、『キングダム 運命の炎』を観てきました。体温的には氷を所望なのですが、心情的には炎を所望させる実写版『キングダム』シリーズの最新作です。むせてしまうような煙たくて泥臭い環境、その中で全…

今だけ最新作のパート1にどっぷりと浸りたい<スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース/感想>

マルチバースという概念が定着して久しい昨今、2019年に公開された『スパイダーマン:イントゥ・ザ・スパイダーバース』の続編である『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』が公開されました。異なる世界観のスパイダーマンが一堂に会した一作…

変身とは、何だ。リアリティとは、何だ。<仮面ライダー BLACK SUN/感想>

大人向けの特撮作品。一般向けの特撮作品。夢想することは数多くあれど、実際に目にする機会は十年以上前は稀少でした。しかし、近年はその機会に恵まれており、「自分にとって当たり外れ」なんて考えられる余地がある、本当に有難い状況が生まれています。…

NOMAN'S LANDに立つガンマンの一発が見逃せない<TRIGUN STAMPEDE トライガン・スタンピード 第一幕/感想>

2023年1月現在、テレビ東京系列で毎週日曜日23時から放送または配信中のアニメーション作品『TRIGUN STAMPEDE』が最高です。アニメーション制作を担当しているオレンジは、『宝石の国』や『ゴジラS.P(シンギュラ・ポイント)』、『マジェスティックプリ…

漫画のキャラクターを動かす3DCGアニメーション、その先にある一瞬の脈動に涙する<THE FIRST SLAM DUNK/感想>

手描きの画の質感を3DCGで表現しているアニメーション作品が好きです。立体的な正確さを担保したことで生まれる臨場感を持ちながら、手書き特有の立体的な嘘を入れた躍動感のある見栄を表現していく。手描きと3DCG、両方の利点を活かしながら、画が動いてい…

張り詰めた空気の中の「笑い」に揺さぶれ惹きつけられる<鎌倉殿の13人/感想>

10月から放送していたTVアニメの放送が終わったり、特番により毎週放送しているバラエティがお休みになるなど、年末の香りを感じ始める12月中旬、1年に渡り描かれてきた物語が幕を閉じました。 NHKにて放送されていた大河ドラマ『鎌倉殿の13人』。最終回…

映画の中に広がる世界、その世界と現実をつなぐ映画<映画大好きポンポさん・感想>

映画が好きだ。映画を観るのが好きだ。映画を映画館で観るのが好きだ。 視界一杯に広がる大画面。耳どころか全身を振動させるような大音量。映画以外の情報をシャットダウンする閉鎖された空間。 そうした、映画にしかないもの、映画館でしか感じられないも…

目一杯の祝福をエアリアルに<機動戦士ガンダム 水星の魔女/感想1>

ガンダムへ、モビルスーツへ、ロボットへ、乗ることに子供の頃は憧れていました。パイロットスーツを着て、ヘルメットを被り、コックピットに座って、操縦桿を握る。劇中でキャラクターたちの色んな操作とロボットの動きを見て、「このボタンを押せば、これ…

空想と現実。その狭間を一直線に翔る巨人に涙する。<シン・ウルトラマン/感想>

『シン・ウルトラマン』に求めるもの。リメイクに求めるものは何か。特撮に求めているものは何か。『ウルトラマン』に求めているものは何か。 それは『ウルトラマン』というコンテンツに触れた時代、触れた媒体、触れた作品によって異なるものであり千差万別…

『劇場版ウルトラマンZ ご唱和ください!我らの名を!』への夢想。<ウルトラマントリガー エピソードZ/感想>

Zライザー「TAIGA!TITUS!HUMA!」 ハルキ「ゥオオオッッッッッッッス!!!!!」 Z「ご唱和ください!我らの名を!!! ウルトラマンズェエエエエエエエエッッッッット!!!!!」 ハルキ「ウルトラマン!!!ゼーーーーーーーーッッッッット!!!!…

暗部への疑心と恐怖。閉塞的な不可知の中でも繫ぎ止める存在が希望を照らす。<THE BATMAN −ザ・バットマン−/感想>

あらゆる情報の取得と発信が容易にできるようになった代償として、情報に対する信頼が揺らぎ、情報の真偽を見極める嗅覚が個々に求められるようになった現代。所謂暴露を目にすることが増え、自分が試されているかのような場面に直面する機会が増えたと思い…

現実に肉薄するアニメーションの顕現。アニメーションの未来を切り開く絶望の三部作の幕開け。<機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ・感想>

平面が立体に、二次元が三次元に、画の連なりが映像に。物理的には存在しない物への立体感と質量の付与、それを実現する技巧と技術、挑戦それ自体が見応えと魅力に転じる。アニメーションの特徴であり強みです。本物に近づけることを志向しながらも実写にな…

大いなる舞台で描かれる親愛なる隣人の大いなる終幕に涙する。<スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム/感想>

スパイダーマン in MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース) 『キャプテン・アメリカ シビルウォー』予告編にて発表された大ニュース。考えもしなかった展開に歓喜し、同時に湧き上がる『アメイジングスパイダーマン』シリーズ終了宣言への寂しさ。思え…

AIの感情を浮き彫りにする愛の物語。未来を明るく照らすアイの歌声に涙する。<アイの歌声を聴かせて・感想>

友〜達〜欲〜し〜〜〜〜〜〜い!!!!! 急にどうした?と思われるかもしれませんが、まさにそんな主人公のファーストインプレッションから始まるアニメーション映画が『アイの歌声を聴かせて』です。監督は『イヴの時間』の吉浦康裕さん。主人公・シオンの…

繋がりの消失した世界で描かれるストレートな面白さとモヤモヤに向き合う。<シャン・チー/テン・リングスの伝説:感想>

在り方や見え方が大きく変わっていく世界を描いてきたマーベル・シネマティック・ユニバース(以下MCU)に魅了された、2008年から2019年。(もうそんなに経ったんですか…)そんなMCUの変貌を彷彿としてしまう大きな変化があった2020と2021年。作品の受けても…

人造だからこそ、人の創りしもの故に映画から受け取る力<シン・エヴァンゲリオン劇場版/感想>

7月21日(水)、『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の上映が終了しました。それも興行収入100億円突破という快挙を達成して。 今だに感染症の流行収束の兆しが見られない状況下で無事に映画が上映されるのか、上映されたとしても劇場に足を運ぶことがで…

ウルトラ鍔迫り合いにウルトラ熱くなった話 -ウルトラマンZ(ゼット)が好きになった理由-

「必ず殺す技」と書いて必殺技。こうやって書いてみると物騒ですね。「それくらい強力な技」というニュアンスで使われているかと思いますが、『ウルトラマン』で「怪獣も一つの命であり、街を守る=怪獣を殺す」ことを考えさせられたことを踏まえると、「必…

2020年の振り返りと2021年の再挑戦

遅くなりましたが、明けましておめでとうございます。小・中学生の頃に比べると、一年という時間を短く感じるようになりましたが、それを差し引いても、2020年はあっという間に終わってしまいました。コロナウイルスで生活が急激に変化したことで忙しくなり…

定着したコンテンツの魅力とハードルが同居した一作<劇場版 Fate/Grand Order -神聖円卓領域キャメロット- 前編 Wandering; Agateram>

既に人気を獲得しているコンテンツの劇場作品。人気であるが故に「期待」というハードルが存在します。「このキャラクターの活躍が観たい。」「こういう表現が見たい。」など、様々な部分での期待されます。つまりは、そのコンテンツが人気を獲得するまでに…

受け継がれていく想い。決して途切れない英雄達の呼吸に涙する。<劇場版 鬼滅の刃 無限列車編・感想>

写実的な描写の中で躍動する太い線で描かれたキャラクターと水墨画のようなエフェクトが格好良いアニメ。それが、新型コロナウイルスをも吹き飛ばす熱量を以て日本で社会現象を巻き起こしている作品、『鬼滅の刃』に対して抱いていた第一印象です。本作のア…

知的快楽の塊が放つ「未知と既知の交差」、観客を逆行へ誘う。<TENET テネット・感想>

10 「大作を観たい!」という飢えが渇くどころか、大作を観賞する直前のエントランスの空気感、外の光が遮断された廊下を通る瞬間のワクワク感さえも忘れてしまった2020年9月初め。延期していた作品が徐々に公開されてくる中で、遂に大作と呼ぶにふさわし…

ズルいと感じさせる情緒満ち溢れた物語の結末。その根底にある圧倒的納得とは。<劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン/感想>

テレビアニメの劇場版。新しい物語が観られることだけでなく、テレビシリーズからの映像のクオリティアップなど、テレビシリーズという基準がある作品特有のワクワク感があります。また作品の内容が物語の最終章である場合は、終わってしまうことへの寂しさ…

<ヴァイオレット・エヴァーガーデン/プレ観想>

最後に手紙を書いたのはいつだろうか。誰に対して、何の内容を書いたのかは思い出せません。連絡する手段が手紙からメールやSNSに変わった現在。手紙という媒体を思い出させてくれた作品が『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』。テレビで放送されたのは、20…

ただの総集編だなんて言わせない!大画面で観る価値を作り出した快作<荒野のコトブキ飛行隊 完全版・感想>

テレビシリーズのアニメを劇場用に再編集された映画、いわゆる総集編。そういった作品における最大のポイントは、劇場で観る意義を如何に見出せるのかということ。そもそも、既に一度観たことがある作品を、わざわざ映画館まで足を運び、1800円もの金(+交通…

ゼロワンがrealise(リアライズ)したものとは何だったのか。<仮面ライダーゼロワン 最終話・感想>

『仮面ライダーゼロワン』。令和最初のライダーと謳われた本作ですが、平成ライダーを毎年追ってきたわけではない自分にとってはあまりピンとこない謳い文句でした。それでも本作の題材である人工知能、新しい価値観を以って新時代に相応しい作品を提供して…

異なる選択・ルートを認識しているからこその唯一無二の体験。<Fate/stay night [Heaven's Feel] Ⅲ.spring song・感想>

桜が咲く季節に公開するはずだった作品がようやく公開しました。『Fate/stay night [Heaven's Feel] Ⅲ.spring song』。 『Fate/stay night 』の中で分岐する3つの物語、一つ目のルート<Fate>、二つ目のルート<Unlimited Blade Works>、そして三つ目のル…

『ウルトラマンZ(ゼット)』主題歌の「強く優しく」という歌詞に涙してしまった話。

ブログのタイトルに「不定期」とは入れつつも、あまり間が空き過ぎないようにしていましたが、すっかり更新が止まってしまっていました。コロナウイルスに起因して色んな問題が発生して、やらなくてはいけない事が沢山出てきてこの3ヶ月間物凄く忙しかった…

今こそ観よう、手を洗うヒーローを!『ウルトラマンゼアス2』の変身がマイベスト変身という話。

人との接近を極力避け、これまで気にせずに触ってきたドアノブに触ることをためらってしまう毎日。外出中は何かするたびに手を洗うため、乾燥の季節はとっくに過ぎたはずなのに保湿クリームが手放せません。花粉症に悩ませられる季節も過ぎたのに、今だにマ…