モリオの不定期なblog

映画・特撮・アニメの感想や思った事を書きます。宜しくお願いします。

2020-01-01から1年間の記事一覧

定着したコンテンツの魅力とハードルが同居した一作<劇場版 Fate/Grand Order -神聖円卓領域キャメロット- 前編 Wandering; Agateram>

既に人気を獲得しているコンテンツの劇場作品。人気であるが故に「期待」というハードルが存在します。「このキャラクターの活躍が観たい。」「こういう表現が見たい。」など、様々な部分での期待されます。つまりは、そのコンテンツが人気を獲得するまでに…

受け継がれていく想い。決して途切れない英雄達の呼吸に涙する。<劇場版 鬼滅の刃 無限列車編・感想>

写実的な描写の中で躍動する太い線で描かれたキャラクターと水墨画のようなエフェクトが格好良いアニメ。それが、新型コロナウイルスをも吹き飛ばす熱量を以て日本で社会現象を巻き起こしている作品、『鬼滅の刃』に対して抱いていた第一印象です。本作のア…

知的快楽の塊が放つ「未知と既知の交差」、観客を逆行へ誘う。<TENET テネット・感想>

10 「大作を観たい!」という飢えが渇くどころか、大作を観賞する直前のエントランスの空気感、外の光が遮断された廊下を通る瞬間のワクワク感さえも忘れてしまった2020年9月初め。延期していた作品が徐々に公開されてくる中で、遂に大作と呼ぶにふさわし…

ズルいと感じさせる情緒満ち溢れた物語の結末。その根底にある圧倒的納得とは。<劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン/感想>

テレビアニメの劇場版。新しい物語が観られることだけでなく、テレビシリーズからの映像のクオリティアップなど、テレビシリーズという基準がある作品特有のワクワク感があります。また作品の内容が物語の最終章である場合は、終わってしまうことへの寂しさ…

<ヴァイオレット・エヴァーガーデン/プレ観想>

最後に手紙を書いたのはいつだろうか。誰に対して、何の内容を書いたのかは思い出せません。連絡する手段が手紙からメールやSNSに変わった現在。手紙という媒体を思い出させてくれた作品が『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』。テレビで放送されたのは、20…

ただの総集編だなんて言わせない!大画面で観る価値を作り出した快作<荒野のコトブキ飛行隊 完全版・感想>

テレビシリーズのアニメを劇場用に再編集された映画、いわゆる総集編。そういった作品における最大のポイントは、劇場で観る意義を如何に見出せるのかということ。そもそも、既に一度観たことがある作品を、わざわざ映画館まで足を運び、1800円もの金(+交通…

ゼロワンがrealise(リアライズ)したものとは何だったのか。<仮面ライダーゼロワン 最終話・感想>

『仮面ライダーゼロワン』。令和最初のライダーと謳われた本作ですが、平成ライダーを毎年追ってきたわけではない自分にとってはあまりピンとこない謳い文句でした。それでも本作の題材である人工知能、新しい価値観を以って新時代に相応しい作品を提供して…

異なる選択・ルートを認識しているからこその唯一無二の体験。<Fate/stay night [Heaven's Feel] Ⅲ.spring song・感想>

桜が咲く季節に公開するはずだった作品がようやく公開しました。『Fate/stay night [Heaven's Feel] Ⅲ.spring song』。 『Fate/stay night 』の中で分岐する3つの物語、一つ目のルート<Fate>、二つ目のルート<Unlimited Blade Works>、そして三つ目のル…

『ウルトラマンZ(ゼット)』主題歌の「強く優しく」という歌詞に涙してしまった話。

ブログのタイトルに「不定期」とは入れつつも、あまり間が空き過ぎないようにしていましたが、すっかり更新が止まってしまっていました。コロナウイルスに起因して色んな問題が発生して、やらなくてはいけない事が沢山出てきてこの3ヶ月間物凄く忙しかった…

今こそ観よう、手を洗うヒーローを!『ウルトラマンゼアス2』の変身がマイベスト変身という話。

人との接近を極力避け、これまで気にせずに触ってきたドアノブに触ることをためらってしまう毎日。外出中は何かするたびに手を洗うため、乾燥の季節はとっくに過ぎたはずなのに保湿クリームが手放せません。花粉症に悩ませられる季節も過ぎたのに、今だにマ…

無限大の夢のあとの「最後の進化」が新たな無限大の夢を作り出す。<デジモンアドベンチャー ラストエボリューション 絆・感想>

2020年2月21日金曜日、『劇場版 デジモンアドベンチャー LAST EVOLUTION 絆』が公開されました。子供の頃に見ていた『デジモンアドベンチャー』の最新作。自分にとっては、子供の頃の楽しい思い出を作ってくれたコンテンツの一つです。デジモンにはアニメだ…

仮面ライダーゼロワンの新フォームとヒューマギアは、人に何を教えてくれるのか。

現在放送中の『仮面ライダーゼロワン』で新フォーム「メタルクラスタホッパー」が登場しました。基本フォームのライジングホッパーからシャイニングホッパーとシャイニングアサルトホッパー、ストレートに格好良く進化してきているゼロワン。 【次回ゼロワン…

公式が「間違いでした」と宣言した時、信じていた観客はどうすればいいのか。

脚本に留まらず、それを裏付けるかのようなコンセプトアートが多数出た『スター・ウォーズ スカイウォーカーの夜明け』。否応無しに「これが観たかった。」という思いと、制作者に対する失望が強くなってます。 View post on imgur.com imgur.com じゃあ作り…

二次元と三次元を行き来するセルルック3DCGの到達点<HUMAN LOST 人間失格/感想>

ツイッターの自己紹介欄にセルルック3DCGが好きだと書くくらいにはセルルック3DCG好きのモリオ です。 「手書きアニメーションの質感を3DCGによって表現する。」この題目に対して様々な会社がそれぞれ異なるアプローチで挑戦しています。その結果生まれる新…

夢を目指すか、諦めるか。「どちらかを選ぶ」という行為そのものを肯定する。<空の青さを知る人よ/感想>

作品を通じて様々な登場人物を見ていると、時々、自分の人生について考えさせられます。様々な事に悩み苦しみながらも一つの決断と選択をする登場人物達。スクリーン向こう側の彼らに感情移入し、彼らの選択に膝を打ち、頭を抱えたり、目頭を熱くしる。する…

観客と作り手、二つの視点から定義する仮面ライダーの原点<仮面ライダー 令和 ザ・ファースト・ジェネレーション/感想>

気づいたら仮面ライダーを再び見るようになってから早くも2年が経過しました。テレビでは観れない派手なアクションへの期待から冬映画も映画館で観てきましたが、今年で3作品目になります。 2017年に公開された『仮面ライダー平成ジェネレーションズ FINAL…

見えないからこそ生まれる視覚的快感とカタルシスに酔いしれる<見えない目撃者/感想>

本来なら新年の挨拶をするところですが、2019年に観賞した映画の感想を書ききらないまま新年を迎えてしまいました。このまま新年の挨拶をするわけにはいきません。ということで、途中で止まってしまっていた作品の感想を年始の間に書こうと思います。 まずは…