モリオの不定期なblog

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「ととのう」とは!?変身バンクならぬ「ととのったバンク」と独特の空気感が癖になるテレビ番組『サ道』

 現在、日本は連日の猛暑。太陽からの直射日光による暑さや全身から溢れ出る汗の不快感に「もう勘弁してくれ。」「早く涼しくなってくれ。」なんて声が聞こえてきそうです。(というか自分が思っています。)

 

外で歩いている人たちが少しでも不快感を和らげようと汗を拭い団扇や扇子で仰いでいる一方で、自ら進んで暑い部屋に身を置く「サウナー」と呼ばれる人たちがいます。

 

そんなサウナーたち、そして彼らの愛するサウナの魅力を描いた番組『サ道』が現在放送中です。

 

今この番組が、週に一度の楽しみになっています。私自身はサウナが好きでも嫌いでもないという感じですが、サウナという特殊な空間の中で生まれる独特な空気感が癖になってしまっています。ついに先日、久しぶりにサウナに入ってしまいました。

 

謎の魅力を持つ『サ道』。今回はこの番組を紹介したいと思います。

 

 

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 まずは、この番組を半裸で彩る出演者たちを紹介。サウナの気持ち良さを知った男「ナカタアツロウ」を演じるのは、原田泰造さん。「偶然、偶然!」が口癖の中年サウナー「偶然さん」を演じるのは、三宅弘城さん。水も滴る良いサウナー「イケメン蒸し男」を演じるのは、磯村勇斗さん。

 

この番組は、3人の男性の会話を通じて、様々な場所のサウナの話やサウナの良さを語り合います。加えてそのサウナで働いている授業員の方や風を送る熱波師と呼ばれる方に話を聞くなど、ドラマというよりはドラマの体をとったサウナの紹介番組といった構成となっています。孤独のグルメ』のサウナ版とでも言えば、本作のイメージを掴んでいただけるでしょうか。

 

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 この番組の雰囲気は、まさにサウナ室の空気感そのもの。BGMは少なく、暖房の音や熱された石にかける水が蒸発する音などの環境音をじっくりと聞かせてくれます。つまりはサウナ室の暑さ、水風呂の冷たさ、屋外の風の涼しさを画面越しに見ている私たちに想像させます。そして何より良いのは、原田泰造さんのリアクションです。

 

サウナを堪能している様子を映しつつナカタアツロウさんの独白を通じてサウナの紹介をしています。しかし、サウナに詳しくないどころかサウナに通う習慣さえない私にとって、毎回紹介されるサウナの良さや特徴、他のサウナとは何が違うのか、説明だけではイマイチ感じる事ができません。

 

上記で述べた想像させられる暑さ、冷たさ、涼しさ。それらを感じられる事は理解できても「どれくらい暑いのか?」という事までは感じられません。

 

そんな時、サウナの紹介を補ってくれるのが原田泰造さんの一つ一つの反応なのです。

 

水風呂に入るとき水の冷たさに耐えながらも気持ち良さを感じている声。想像を超える暑さや冷たさを感じた時の表情。それらの反応の一つ一つが、言葉だけではどうしても伝わらない「程度」を雄弁に語ってくれます。

 

 

 

 

 これほど想像を掻き立てる見事な構成であっても、想像することのできないものがととのうです。サウナトランスやディープリラックスとも表現されるそうです。しかし、サウナ→水風呂→休憩の3セット繰り返しが基本である事を知らないどころか、水風呂の冷たさに敬遠して入っていなかった自分にとって、もはや別次元の感覚だとさえ思ってしまいます。

 

唯一分かっていることは、多幸感ともトリップ感とも言える非常に抽象的な感覚であるらしい、という事です。

 

では、ととのうシーンは私にとって理解できないシーンなのでしょうか?退屈なシーンなのでしょうか?

 

 

 

 とんでもない。むしろサウナーたちがととのっているシーンは、私にとって癖になっているシーンの一つであります。なぜなら、ととのったシーンには変身バンクと同じ魅力があるからです。

 

 

 

 変身バンクについて説明します。特撮作品『ウルトラマン』シリーズには毎回必ずと言っていいほど流れる変身シーンがあります。身も蓋もない表現をしてしまうと、その変身シーンを使い回している事を変身バンクと言います。しかし変身シーンが毎回流れるが故に、視聴者にとっては定番のシーンとして定着し非常に印象に残るのです。

 

登場人物がととのうシーンは毎回番組の終盤で登場します。つまり、ととのうシーンは変身シーンと同様、変身バンクならぬ「ととのったバンク」であると、いう事ができます。

 

近年のウルトラマンでは「インナースペース」と呼ばれる、変身者がウルトラマンの体内に居る様子を映したシーンがあります。

 

実はととのった時のシーンは、そのシーンにかなり似ているのです。

 

つまり、サウナによってととのう感覚とは、ウルトラマンになっている時の感覚に似ているのではないでしょうか。(多分違う。)

 

冗談はさておき、ととのった時の感覚は分かりません。しかし『サ道』という番組に限った話で言えば、ととのった時のシーンはウルトラマンの変身シーンもしくは必殺技のシーンのように視聴者にとって癖になる魅力があると思います。現在6話まで放送されていますが、現時点で既にととのったシーンの予兆があると「お、くるぞ。例のシーン!」と思わせられてしまいます。

 

 

 

 サウナの魅力と奥深さを描きながらも、知らない人にも興味を引かせる内容となっているテレビ番組『サ道』。現在テレビ東京等で毎週金曜日深夜に放送中です。また、TVerParaviでも配信中ですので是非。

 

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