モリオの不定期なblog

映画・特撮・アニメの感想や思った事を書きます。宜しくお願いします。

<HELLO WORLD ハロー・ワールド/プレ観想>

 本日9月20日(金)から公開された劇場アニメーション作品『HELLO WORLD  ハロー・ワールド』が楽しみで仕方ありません。作品が最初に発表されてから、今日まで長かったような、あっという間だったような不思議な気分です。鑑賞を直前に控えた今、どんな映像表現を魅せてくれるのか、どんな物語で観る側に揺さ振りをかけてくれるのか、作品に対する興味は尽きません。

 

この作品に対する興味を一気に惹かれたのは、初期に公開されたこの予告編。

 

公式サイトやYouTubeでは確認できず、公式Twitterでの投稿を遡り確認。本作の予告編で最もインパクトがありました。

 

キャッチコピーでも使用されている「ひっくりかえる。」というワード。そんな作品の表明を予告編の映像の順番を文字通りひっくりかえす構成で体現しており、タイトルやスタッフ・キャストのクレジットから始まり、配給である東宝のお馴染みのマークで予告編の最後をしめる構成は、非常にインパクトがありました。 

 

これ程までに本作に強く惹きつけられる要素の一つが、逆再生をしたかのようなインパクトのある予告編である事は明白です。しかしそれだけなら、作品への興味を持つきっかけにはなっても、観賞前の期待がこれほど大きくなりません。自分の興味を駆り立てているものは、本作の制作に携わっているクリエイターの方達の存在。

 

今回は観賞前・感想前という事で、映像を製作する前に声を収録するプレスコならぬ、プレ観賞・プレ感想をかけて「プレ観想」を書いていきたいと思います。

 

 

 

HELLO WORLD (集英社文庫)

 

 

 

 

 

 まず最初に気になっているところは、グラフィニカがアニメーション製作を担当している事です。グラフィニカといえば、2014年に公開された長編アニメーション映画『楽園追放 -Expelled from Paradise-』が思い出されます。

 

youtu.be

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まだ様々なCG制作会社が手探り状態でセルルック3DCGを製作していた中、逸早く形を確立した会社がいくつかありました。グラフィニカはその1つであると私は思います。「板野サーカス」をはじめとする日本の手描きアニメーション特有のアクション。それらの遺伝子がその中で生きていると感じられるを見事なセルルックアニメーションの数々は本当に素晴らしいです。

 

 

 

 しかし、この作品は重大な欠点が1つだけあります。それは人に勧めにくいという事です。主人公を始めとするキャラクター達の格好が露出度が高い。正直、劇場で何度も鑑賞し、Blu-rayを購入した今でも、目のやり場に困るほどです。どれだけ作品の質が高くても、これでは人に勧められない。

 

そういった点を踏まえて『HELLO WORLD』のキャラクター達のビジュアルを見てみましょう。

 


映画『HELLO WORLD(ハロー・ワールド)』予告【2019年9月20日(金)公開】

 

 

やりました。

この露出度の低さ、これならこの作品が素晴らしいものだった時、心置きなく人に勧める事ができます。

 

それはさておき、『HELLO WORLD ハロー・ワールド』のアニメーションの数々はあの『楽園追放』から進化を感じさせるものになっています。更にレベルの高くなった手書きのような質感の表現、グラフィカルな映像が更なる映像体験が得られるのでは、という期待感を煽ってくれます。

 

 

 

 グラフィニカという事で、忘れてはいけない作品がもう1つ。『SSSS.GRIDMAN』です。街中で怪獣とグリッドマンが暴れ回るシーンの数々。日本アニメと巨大特撮の特有の外連味を融合させたかのようなアクションは素晴らしいものがあった。本作でも、巨大物の描写がある事が仄めかされています。どのような形で描かれるのか、非常に楽しみ。

 

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 そして本作の監督を務めるのは、伊藤智彦さんです。予告編等の宣伝では『ソードアート・オンライン』シリーズが携わられたタイトルに挙げられていますが、個人的には『僕だけがいない街』が印象的です。

 

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先ほどの『ハロー・ワールド』の予告で印象的であった上下の黒枠が変化する演出。確認していただけると分かる通り、『僕だけがいない街』でも使用されています。加えて、物語のあらすじが共に「過去に戻って少女を救う。」と共通点が多い。

 

 

 

 しかし共通点が多いという事は、同時に新鮮味に欠けるものになってしまう可能性をはらんでいます。しかしそんな不安を感じさせないのが、本作で脚本を担当された野崎まどさんです。


野崎まどさんが以前脚本を担当された『正解するカド』という作品。

 

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価値観や倫理観を問いかける内容、そして観るものを揺さぶる先の読めない展開は、作品を楽しむ以上に自分に「残る」体験を作り出しました。

 

「たとえ世界が壊れても、もう一度、君に会いたい。」

 

このようなキャッチコピーからも、本作では世界とこの命を天秤にかけるといった、観る者の価値観に強く問いかけるような内容になっている事が予想されます。

 

また今回は、未来の自分と協力するという展開で、また違った形で時間トリップを作劇してくれると思います。

 

それが前述した作品とは、違う物語を提供してくれるという期待を持たせてくれます。

 

ちなみに、紹介した『楽園追放』と『正解するカド』両者の共通する点は、東映アニメーションが制作に関わっている事です。つまり本作は、実質、東映アニメーションの新作と言っても過言ではありません。(違います。)

 

 

 

 本作は『HELLO WORLD ハロー・ワールド』は、自分にとって「残る」作品を提供してくれた信頼のおけるクリエイターの方達が集まり制作された作品なのです。


どんな物語・アニメーションが観れるのか、非常に楽しみな一作である事は間違いありません。