モリオの不定期なblog

映画・特撮・アニメの感想や思った事を書きます。宜しくお願いします。

最近、日本のCGアニメに対してファンとして思う事

 2月26日(火)と27日(水)に、CG・映像専門サイト『CGWORLG.JP』において、ある特集が掲載されました。

 

cgworld.jp

cgworld.jp

 

タイトルにある通り、CGプロダクション3社の取締役による対談が掲載されていますが、その中で、このようなやり取りがありました。

豊嶋:(前略)アメリカのCGプロダクションは、ピクサーの『トイ・ストーリー』みたいなルックがCGでつくるアニメなんだという答えをだしたじゃないですか。

日本の場合は、映画の『バイオハザード』みたいな、ちょっとリアルなCGも、セルルックのCGも「CGアニメです」と言ってて、やろうと思えばどうとでも表現できるから、どこに着地させようかなっていうのは悩みますね。何というか、すごく居場所のない感じがします。いろいろ化けれちゃうから、はっきりしないよなあと......。

笹原:CGプロダクションとして、自分たちの居場所をつくりたいとは思いますね。

 CGアニメのルックに関して、リアリティの塩梅が定着しているアメリカに対して、日本では定着していません。実際に『GANTZ:O』のようなリアル寄りな作品がある一方で、『GODZILLA』のようなアニメ寄りの作品があります。「日本のCGアニメと言えばこれ。」と言えるようなルックが存在していません。

 

 

 

  そんな中、日本産のCGアニメにおいて日本の手描きアニメーションのように見せる「セルルック」の手法を利用している作品が近年では増えています。

 

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楽園追放 -Expelled from Paradise-』や『シドニアの騎士』、『BLAME!』といった日本の手書きアニメーションのルックを意識した作品が近年では多く展開されています。個人的には非常に好きで、何より世界でも評価の高い「日本の手書きアニメ」のルックや見せ方を追求するというアプローチでCGアニメを作っていく事に「日本独自のルックが生まれるのでは?日本のCGプロダクションにとっての居場所になるのでは?」と可能性を感じています。

 

 

 

 そんな中、海の向こうでは『スパイダーマン:スパイダーバース』が誕生。前述の『トイ・ストーリー』にようなルックとは異なるCGアニメが作られた事に衝撃を受けました。共通する要素である「元々手書きの作品をCGアニメ化」という点で「日本が追求し始めたアプローチと被っていないか?」と勝手に危機感を感じました。

 

他にも『レゴムービー』など、これまでのアメリカにおけるCGアニメのイメージとは異なるアプローチで作られた作品が近年では生み出されています。

 

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 海外との差別化を図り日本独自のCGアニメを確立するには、超えなくてはいけないハードルがまだまだ多いと感じる事は事実です。しかし、10年前に比べれば日本国内でのCGを用いたアニメを目にする事が格段に増えた事も、また事実。

 

特定の日本のプロダクションに対して、贔屓目に見てしまう事もあるかもしれません。そもそも、日本人のアニメーターが海外のスタジオで活躍したり逆に外国人のアニメーターの方達が日本のスタジオで活躍している中で、表現において日本と海外という分け方をすること自体がナンセンスなのかもしれません。しかし、ポリゴン・ピクチュアズデジタル・フロンティアなど自分の好きなプロダクションが製作する作品を追っていく中で、アメリカの作品とは異なる日本独自のアプローチで作られたCGアニメを楽しめるのは嬉しく感じてしまいます。それどころか、

「日本の積み上げてきた表現を生かして、凄いCGアニメが作れるんだという所を見せてくれ!」

と考えてしまうし期待してしまうんですよね。だから、映像のレベルが上がっている事を作品ごとに感じられると、非常に嬉しいです。NETFLIXで配信されている『BLAME!』の公開時には、高い映像レベルに感動しました。

 

今後も、日本制作のCGアニメを楽しみたいし期待したいです。