モリオの不定期なblog

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ファンサービスを超えた新たなジャンル「究極のファン参加型映画」の誕生<仮面ライダー平成ジェネレーションズ FOREVER・感想>

 

 『仮面ライダー平成ジェネレーションズ FOREVER』がついに公開しました。本作では、仮面ライダークウガをはじめとする平成初期の仮面ライダーが登場するという事で、当然鑑賞しようと思い公開初日に映画館へ行ってきました。平成仮面ライダーを締めくくる作品として、どんなものになるのか期待を胸に鑑賞しました。

 

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(以下、映画本編のネタバレがあるのでご注意ください。)

 

 

 

 

 

 良かった、本当に良かったです。「仮面ライダー、ありがとう。」そんな思いに満ち溢れる映画でした。それだけではありません、今までに経験のしたことのない映画体験が、そこにありました。

 

もはや登場人物がカメラに向かって問いかけたり、観客が画面に向かって声援を送るなどという次元ではありません。観客自身が物語に組み込まれるというファンサービスを超えた作品となっていました。

 

海の向こうの『アベンジャーズ インフィニティーウォー』という既存のジャンルに当てはまらない作品のように、本作もまた既存の枠組みでは語る事の出来ない作品になっていた事に心底驚きました。

 

 

 以前、ツイッター上でディケイドアーマーについて話をしました。

 

ガンバライジングなどテレビ以外の展開もジオウで総括しようとしていると捉えると、凄く壮大でワクワクしますね。 子供にとってテレビ以外の遊び(おもちゃやゲーム等)も含めて1つの作品であるというコンテンツ側の考えが感じられて嬉しいですね。(原文ママ

 

本作はテレビやゲームだけでなく、おもちゃで遊んだりヒーローショーを観たり、ファンと仮面ライダーの全ての繋がり方を全て内包した物語になっています。作品以外で起こった事、本来作品に影響の与えることのない視聴者の中の思い出が「記憶」という形で仮面ライダーを支える。

 

「記憶の中にある限り、仮面ライダーは存在する。」誰かの記憶に残っていれば、現実であるか虚構であるかは関係ない。タイムジャッカーの力により仮面ライダーが虚構にされてしまっても、なお存在する。作品の中で行使される力を、作品の外にあるはずの「ファンの記憶」が凌駕する。ファンの経験・思い出が敵の力に対抗する要素として活かされるという、これ以上にないくらいの「究極のファン参加型映画」になっています。

 

 

 これが本当に嬉しかった。自分が子供の頃にクウガ・アギト・龍騎ファイズを観たり、変身ベルトをつけてなりきったり、ラジコンを操作する、それら全ての思い出が平成仮面ライダー達を助ける。

仮面ライダージオウ 変身ベルト DXジクウドライバー

 

 

こんな展開を見せられて嬉しくないわけがありません。子供達へ向けて作られ、思い出という形で多くの人の記憶に残っている「平成仮面ライダー」だからこそ出来た物語。20人もの仮面ライダー達が一堂に会する奇跡を起こしたのが、子供の頃に見ていた私たちファンの記憶。そんな物語を見せられた事が嬉しくてたまりません。

 

 

 この作品を含めて、こっちがお礼を言いたいのに、映画を通じて逆にお礼を言われている気分でした。

        自分「ありがとう!仮面ライダー!」

    仮面ライダー「こちらこそありがとう!」

        自分「いや、こっちこそ!ありがとう!」

    仮面ライダー「いやいや、こっちの方こそ!ありがとう!」

こうやって書いてみると、恋人同士の惚気みたいですね。でも実際、まさに本作はこんな感じでした。ファンと仮面ライダーのどちらの思いも一方通行ではないと、仮面ライダーにとって私たちファンの存在は不可欠であると作品を通して言われているようでした。

 

 他にも、最終対決の時は全員基本フォームであった事が個人的にグッときました。

 

最終フォームが使用できないビルド、そもそも最終フォームがまだ無いジオウ、そんな2人の仮面ライダーが最終フォームを持つ先輩ライダー達と肩を並べて活躍する事に違和感を感じない展開が個人的には嬉しかったです。

 

先輩ライダーが最終フォームを持つ中で、最終フォームを持たない最新のライダーの活躍をどれだけ違和感なく観せるのか以前から気にしているポイントでした。前作では、最終戦でビルドがエグゼイドと肩を並べている事に少し違和感を感じてました。しかし本作では、全員基本フォームで戦う事に説得力を持たせる展開にしました。そんな逆転の発想に唸されました。

 

 

 仮面ライダービルドの後日談としても良かったです。弱気になるソウゴを引っ張ってくれる先輩としての戦兎の姿は頼もしかった。ビルド本編で作られたヒーローである事を散々突きつけられながらも、それを乗り越えてきた。戦兎の境遇が本作のテーマに合致していて、ジオウの一個上の先輩としてこれ以上にないくらい相応しいと思いました。再び肩を並べて戦うビルド・クローズ・グリス・ローグ4人の姿が観れた事も嬉しかったです。

 

戦兎と万丈の2人以外が記憶を無くした事に対してソウゴが「忘れないよ。」と言ってくれたところは、2人が少し報われたかのように感じられ泣いてしまいました。ビルド本編のラストに、より深みを与えてくれる本作の物語がとても良かったです。またアクションもとても好きです。序盤の4人の連携、タンクタンク時のフルボトルバスターを使った戦闘、クローズマグマの敵の後ろにまで炎を飛ばすほどの強力な薙ぎ払い、とても興奮しました。来年の『仮面ライダークローズ』、楽しみです。

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 他にも、仮面ライダー龍騎の「力を合わせて〜」の台詞は、「城戸君がついに力を合わせてって言える時が来たんだ。」と嬉しくて仕方ありませんでした。

 

 

 「子供の頃に、平成仮面ライダーを観ていて良かった。」と心の底から思える映画でした。このような素晴らしい映画を届けてくれて、ありがとう。そして平成仮面ライダーを生み出してくれて、ありがとう。