『アベンジャーズ エンドゲーム』(以下EG)が公開してから早2ヶ月が経過、MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)次回作『スパイダーマン ファー・フロム・ホーム』の公開が控えている中で本作の6月27日の公開終了がアナウンスされました。なのでこの度、最後の鑑賞に行ってきました。
『アベンジャーズ エンドゲーム』劇場で最後の鑑賞。
— モリオ (@mori2_motoa) 2019年6月22日
トニーやスティーブ、ソー、ナターシャを劇場で観るのが最後だと思うと辛かった。
だけど約10年前彼らに出会い、ずっと作品を追ってきた事は決して後悔しない。
本当にありがとうアベンジャーズ 。絶対に忘れない。#アベンジャーズ pic.twitter.com/LheadJ3gUv
この2ヶ月の間に公開された他の作品の熱にEGの余韻がかき消されたかと思えば、時折アベンジャーズの事を思い出して再び余韻に浸る事を繰り返す日々を過ごしています。
アイアンマンがスーツを装着するシーン良かった、キャプテン・アメリカのアクションは最高だった。
なんて事を考える中で特に印象に残っている物は、アイアンマンの最新スーツ、マーク85です。
(以下、映画本編のネタバレがあるのでご注意ください。)
アイアンマンはMCUの中でも最も好きなヒーローであり、新作が公開される度に新しいスーツについて考える事が大きな楽しみでした。何故このようなデザインなのか?どのような機能を備えているのか?こう言った楽しみ方ができる数少ないキャラクターです。
これはMCU全体においても言える事ですが、アイアンマンのスーツの持つ魅力は積み重ねだと思っています。自身が直面してきた戦いの中で得た経験を元に、様々な状況を想定した機能をこれまで取り入れてきました。中にはハルクバスターなど、特定の相手への対処する事を想定していた武装もありました。
新たな機能を取り入れる上で想定した状況は戦闘だけではありません。避難に付随して行われる救助活動も重要です。戦闘に付随して行った人々の救助など経験が反映されています。『スパイダーマン ホームカミング』では船が真っ二つに割れてしまった際、小型機を射出するというアイアンマンならではの方法で対処しスパイダーマンのフォローを行なっていました。
そしてそんな様々な試行錯誤を経て更にナノテクという汎用性を飛躍的に向上させる技術を取り入れた結果、様々な状況に対応可能なマーク50というスーツをトニーは作り上げました。マーク5の時のように持ち運ぶ必要もなければ、ハルクバスターの時のように近くに待機させ必要に応じてパーツに飛んできてもらう必要もありません。必要な武装を必要なタイミングで瞬時に装備可能。様々な状況を想定し試行錯誤を繰り返してきたトニーの積み重ねが遂に一つの完成形へとた辿り着いたかのように感じさせてくれる。だからこそマーク50は私にとって最高のアーマーの一つです。
完成形とも思えるスーツが既にできている中で、更に良いスーツが果たして誕生し得るのか?上記の記事にも書いてある通りに、EGではマーク85はマーク50を超える最高のアーマーになるのか公開前まで非常に気になっていました。
鑑賞した結果は想像以上でした。アベンジャーズの一員としての機能を備えている事に加えて、トニースターク=アイアンマンというヒーローを物語る最高のアーマーとなっていました。
アベンジャーズとの連携
まずは、アベンジャーズの一員としてとして、つまりは連携を想定した装備があった事が非常に良かったです。サノスとの戦闘時、ソーの雷撃を受けてリパルサーのエネルギーに変換して照射する。一作目の『アベンジャーズ』ではソーの雷撃の想像を超えるパワーにトニーは驚いていました。しかしEGでは雷撃を攻撃に転換し強力な攻撃を繰り出していました。トニーの技術が神様であるソーのレベルにまで達したのかと実感できる瞬間です。
思えば一作目でも連携しているシーンはありましたが、既存の武装を応用しただけでした。しかし今回は連携を前提とした装備であり、アベンジャーズだからこそ生まれたと言えます。
『アベンジャーズ インフィニティウォー』(以下IW)では今までのスーツからでは考えられないくらいスピィーディーに様々な武器を使用し、アクロバティックなアクションを行なっていました。個としての強さを見せる形でアイアンマンの戦闘面の魅力を出していました。
対してEGでは、個としてではなくチームとして、アベンジャーズとしての戦闘面の魅力を出していました。アイアンマンの単独シリーズでは決して感じる事が出来なかったであろう魅力を持っていると言えます。
しかし、それと同じくらい感激した事があります。それはスーツの装着です。
スーツの装着
マーク85にはIWで登場したマーク50と同様にナノテクが使用されています。しかし、マーク50との相違点はスーツが出現した時点では、装着が完了していないという事。スーツが出現した時点で装着が完了しているマーク50に対して、マーク85はスーツ出現→パーツ移動と、工程が一つ増えています。
何故1つ工程を増やす必要があるのか?それは、アーマーの下に着るインナーを固定する必要を無くす為であると考えられます。本作の中盤ではインフィニティストーンを集める為に様々な時代、場所に行きます。様々な方法で他のチームが手に入れる中、トニーはストーンを手に入れる過程で変装をします。当然マーク50の時のようなインナーを切る事は出来ません。そんな中でも難なくスーツを装着する事を可能にしたのが、まさにその増えた1つの工程なんです。
パーツの1つ1つが体を包み込むように出現しながらも互いの間に隙間があります。そして最後にパーツが移動し完全に合体する事で装着が完了する。ナノテクというマーク50より前のスーツにはなかった技術を用いながらも最後の工程はパーツの可動。それは、今までの作品で登場してきたスーツの装着を彷彿とさせるものです。ナノテクの採用による魅力を感じる傍ら、これまでのスーツの装着技術が不要になってしまったのではないかとマーク50に対して感じていました。
しかし、そんな事は決してありませんでした。これまでに積み重ねてきたスーツの装着技術は、ナノテクを採用した後でも必要で作品の展開上でも必要不可欠な要素でした。進化の過程で古い技術が不要になるのではなく、組み合わせる事で更なる発展を遂げる。約10年間の集大成として、これ以上の物を想像できないくらい素晴らしいと思いました。
アベンジャーズとして、アイアンマンとして、
トニー・スタークとして、アイアンマンとして、アベンジャーズ の一員として、様々な角度からスーツの進化を感じ取る事ができます。仲間との連携を想定した装備や潜入を可能とするパーツの可動、作品内における機能の必要性を感じさせながらスーツとその進化の過程を彷彿とさせる。装着シーンはIWの時に比べて短かったり、一つ一つの装備をじっくり見せてくれる訳もない、更に言うとパーツの可動は決して大きなものではないかもしれません。しかし些細な描写であったとしても、そのディティールにこそトニー・スターク=アイアンマンの10年以上に渡る歩みを感じ価値を見出してくれたんです。
だからこそ、マーク85はアイアンマン最後のスーツとして相応しいと感じるし、約10年間の集大成として、最も好きなスーツであると断言できるのです。