モリオの不定期なblog

映画・特撮・アニメの感想や思った事を書きます。宜しくお願いします。

スパイダーバース吹き替え版の布陣から感じる配給側の本気度

 今年の3月8日(金)に公開を控えている『スパイダーマン:スパイダーバース』。少しずつ映像が公開され期待感が高まる中、吹き替え版の担当声優も発表されています。私は吹き替え版の布陣に配給側のただならぬ本気さを感じています。

 

 

 

 まずは主人公のマイルス・モラレスを演じている小野賢章さん。『ハリー・ポッター』シリーズの吹き替え版にて、主人公ハリー・ポッターを演じた事で有名です。近年も『黒子のバスケ』『聲の形』『ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風』と、多数のアニメ作品に出演して存在感を放っている方です。

 

 

 

 次にピーター・パーカーを演じている宮野真守さん。『機動戦士ガンダムOO』『DEATH NOTE』『STEINS;GATE』『亜人』『GODZILLA』と、多数のアニメ作品に出演しています。それだけでなく、歌手活動も積極的に行なっており声優という枠を超えた人気を誇っている方です。

(特撮的には、ウルトラマンゼロ)

 

 

 

 グェン・ステイシーを演じている悠木碧さん。『魔法少女まどか☆マギカ』『僕だけがいない街』『SSSS.GRIDMAN』と、様々なアニメ作品で高い演技力で存在感を放っている演技派の方です。

(特撮的には、『仮面ライダー555』幼少期の園田真里、『仮面ライダーゴースト』のユルセン)

 

 

 

 その他にも、スパイダーマンノワール大塚明夫さん、ペニー・パーカーを高橋李依、スパイダー・ハムを吉野裕行さんが担当しています。

 

 

 

 この時点で、普段日本アニメを観ている層を狙い撃ちに来ている配給側の本気を感じます。正直、スパイダーマンのアニメ映画(しかもスパイダーバース)、更に昨今のヒーロー映画の盛り上がりから、既に十分すぎる集客を望めると考えられます。しかし、そこで胡座をかくのではなく、更なる視聴者層の開拓を狙う配給側の姿勢には尊敬の念が絶えません。

 

アート・オブ・スパイダーマン:スパイダーバース

 

 

 

 

 しかし、それ以上に配給側の本気を感じたのは、音響監督を岩浪美和さんが担当されていると発表した事です。吹き替えの声優の方達と同じように紹介されており、「ご存知!みたいな感じで紹介してるけど…誰?」と違和感を覚えた方はいるのではないでしょうか?

 


映画『スパイダーマン:スパイダーバース』予告2(2019年3月8日公開)

 

 

 

 岩浪さんは様々な日本アニメの音響監督をされている方で、特に近年では『ガールズ&パンツァー』や『PSYCHO-PASS』、『BLAME!』のハイクオリティな音響でアニメファンを楽しませ、知る人ぞ知る音響監督です。現在は『PSYCHO-PASS SS』が劇場で公開中です。気になった方は是非チェックしてください。

 

mori2-motoa.hatenablog.com

 

 

その他にも、立川シネマシティをはじめとする映画館で作品を最大限に音響を楽しむ事ができるように調節するなどといった活動も積極的に行なっています。

 

 

 

 私は岩浪美和さんの名前を『シドニアの騎士』で知りました。映画館で聞いても問題ない、寧ろテレビで聞くのは勿体無いと感じるクオリティ。実際に映画で聞くと腹に響いてくるジェット噴射とミサイル爆発の音。他のアニメと比較すると頭一つ抜けたクオリティの音響を楽しむ事が出来ます。

 


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2017年に劇場公開された『BLAME!』でも、重力子放射線射出装置と呼ばれる銃の音が皮膚をビリビリと振動させられます。

 


弐瓶勉のデビュー作をアニメ映画化『BLAME!』予告編第2弾

 

 

 

 月並な言葉ばかりですが、岩浪美和さんが音響監督を担当された作品の音響はハイクオリティである事を伝えさせて頂きました。しかし重要なのは、岩浪美和さんが音響監督を担当するなら大丈夫という事実ではなく、その事実をアニメファンが認識しているです。

 

 

 

 話をスパイダーバースに戻します。本作の吹き替え版予告編で岩浪音響監督を声優と一緒に発表した事は、日本のアニメファンに対するラブコールであると考えられます。

 

声優に対して関心のあるファンだけでなく、音響など作品の質に対して強い関心のあるアニメファンのアンテナにも引っかかる宣伝を展開する。この事から、本作『スパイダーマン:スパイダーバース』に対する配給の本気を感じるのです。

 

 

 

 もちろん字幕版も鑑賞しようと考えていますが、同じくらい日本語吹き替え版が楽しみです。

 

最後に、コミカルなやりとりが特徴の一つであるスパイダーマン。吹き替え版に対して、その部分を心配する方もいると思いますが、大丈夫です。岩浪美和さんは、稀代のカオス作『ビーストウォーズ』の監督を担当していたので、問題ありません。